噂 2
おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんの…がまだ生きていて頃。
ライルの国の南端にある小さな田舎町に旅人が来た。
とっても美人な旅人だった。
しかし、その旅人が来てからだった。
酒蔵の酒がだんだん減っていったのだ。
街唯一の交易品の酒がだんだんと減っていった。
樽が、夜があけるごとに空になっていった。
樽に数百とあった酒は、10日弱で数十まで減った。
村の危機を感じた人たちは、蔵に守りを立てた。
話はそこで終わり。
話の、完結どころか旅人との関係すら見出せないまま話は途切れている。
ただ、『美人な旅人が来たら、酒蔵を厳重に守れ』
そんな言い伝えが残っている。